水素は宇宙で最も豊富にある元素で、宇宙の質量の3/4を占め、総量数比では全原子の90%以上もあります。
地球表面の元素数では酸素・ケイ素に次いで三番目に多く、ほとんどは海水の状態で存在し、単体の水素分子状態では天然ガスの中にわずかに含まれる程度です。地球大気での濃度は、水素の特性上、分子が非常に小さく軽量かつ拡散性が強いため、全大気の1ppm以下とほとんど存在していません。
水素の原子はHで表記され、化学式はH2で表記します。
科学的に水素を生成する方法として、【電気分解】【水蒸気改質法】【副生水素】などがあります。
水素は抗酸化作用の非常に強いガスです。
酸化還元とは、電子e-を放出しやすい物質と受け取りやすい物質があり、電子e-の移動が行われることを酸化還元反応と表現します。酸化還元反応で電子e-を放出しやすい物質を還元剤、電子e-を受け取りやすい物質を酸化剤といいます。
細胞内では水素ガスは電子を放出しやすい物質として、電子を受け取りやすい活性酸素と結合します。
活性酸素も細胞に良い活性酸素と、ヒドロキシラジカルと呼ばれる非常に不安定な活性酸素(酸化剤)が存在します。
通常の活性酸素は構造が安定しているため、水素の電子を受け取ることはありませんが、ヒドロキシラジカルは不安定な活性酸素として細胞内で動き回り細胞内の遺伝子等を傷つけます。
水素ガスは電子を放出しやすい物質として、このヒドロキシラジカルを選択的に還元する物質であるということが研究発表され、水素ガスの有効利用が言われるようになってきました。